58 木曽海道六拾九次之内 垂井
(きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち たるい)

広重画 版元錦樹堂

 今まさに大名行列が垂井宿に入ろうとする情景を描いている。構図はその行列を中心にほぼ左右対称(シンメトリー)に配され、奥行きの深さが感じ取れるよう巧みに表現されている。二軒の茶屋の壁に貼られた遊女や風景の錦絵(にしきえ)は、これらが当時どのように扱われていたかを知ることのできる資料であるといえよう。版元の伊勢利(いせり)(錦樹堂)の印を茶屋の壁にさり気なく配している点も非常に興昧深い。