51 木曽海道六拾九次之内 伏見
(きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち ふしみ)

広重画 版元錦樹堂

 伏見宿の西方にあった「伏見大杉」と呼ばれた杉の大木を中心に、その木陰で弁当を食べるもの、昼寝をするもの、台傘・立傘を担ぐ二人の奴(一人は草鞋を結びなおしている)、薬箱を背負った医師そして右手からは手引きの女性に連れられた二人の暫安(ごじょ)(盲目の女旅芸人)を描いている。この構図は極めて庶民的な情景表現である。
 瞽女は通常「ごぜ」と読むが、御嶽宿内の願興寺(がんこうじ)境内地に当地方の瞽女の拠点がありそこで修業をつんだ瞽女を「大寺瞽女」(おおてらごじょ)と呼んでいた。この大寺瞽女を伏見宿で表現したのではなかと考えられるものである。
 残念なことにこの大杉は現存しない。