46 木曽海道六拾九次之内 中津川(雨の情景)
(きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち なかつがわ)

広重画 版元錦樹堂

  中津川を描いた作品は晴雨の二種類あり、これは「雨の中津川」と呼ばれるものである。雨天の情景を描いたものは世界に5点しか存在の確認されていない貴重なものである。間断なく降りしきるなか、雨合羽(あまがっぱ)に身を包んだ旅人の重苦しい様子すなわち静の表現と、いま飛び立とうとする白驚(しらさぎ)の姿に動的躍動感を盛り込み、画面のなかに変化をもたせており、自然と旅情を巧みに表現した秀作である。