長岡の観音様 2/9  
     

今頃でも、商売の都合で世間一般に通用する仮りの名をつける人が全くないわけでないな。
 造り酒屋ちゅうのは、自分の家で酒を造ったり売ったりする家のことで、大きい建物がいるし、身上(しんしょう)がようないと出来ん。ちょんまげ時代で、こういう造り酒屋は大事な米を使うもんで、認めてもらって許可がないと米の割りあてものうて仕事が出来ん。この喜左衛門さの家の酒は、今のように澄んだ清酒でのうて、にごったもので、普通はどぶろくちゅうもんやったげな。