長岡の観音様 2/4  
     

 ある時、破れてよごれた墨染(すみぞめ)の衣を着た坊さんが西の方から来て、ほかの坊さんと同じように布施寮で休んでおった。
 旅の疲れで、ぐっすり寝ていると、夢とうつつの境で、不思議なことに出あった。
 身も心も清まるようなすばらしい音楽が、どこからともなく流れ出いたかと思うと、急に一面が明るうなった。これはこれはと思っていると、何人かの天人が、きれいな着物を着て空中を静かに泳ぐ。その中にそこに生えている桂(かつら)の木の枝に着物がさわるたびにその音楽が流れてくる。