かまいたち 3/8 ページ  
     

「どうしなあた。鎌で切りなあたか」と聞くと、「ちがう。ちがう。何にもせんに、急に強い風が、うず巻きのように吹いて来たかと思ったら、ここんとこがヒヤッとしたもんで、見たらこの傷や。ちょっとも痛いことはないが、こんね切れちまって一人で家へ帰ることは出来ん」といって、ソッと傷ロを見せてくれた。長さが三寸(約十センチメートル)くらいで、よう切れる刃物でスパッと切ったようになって大きいロをあけとる。血は全然出とらん。切りぐちの表の方は白い皮のようなものが薄うなって、その奥に赤い肉が見えとる。わしは傷ロを見ただけで震えあがっちまった。