かまいたち 2/8 ページ  
     

 その日はよう晴れとったが冷たい風が下の方から吹き上げて、足や腰の方はとても寒かった。しばらく仕事に夢中になっとったら、叔母が急に金切り声を出いて「やられた。かまいたちに切られて歩けんようになった。早よう来てちょうだい」と呼んだもんで、持っとった鎌をぶっといて、半分転ぶように走っていった。
 モンペもズボンもその時分(じぶん)はなかったもんで、いくら山仕事でも着物の裾をちょっと端折った服装の叔母は、むき出しになった左の膝の下を、両手でキューと押さえてわしの来るのを待っとった。顔色は青ざめてはおったが、そう痛いようなふうでもない。