三造念仏(さんぞうねんぶつ) 2/5 ページ  
     

 三造さは欲のない男で、もっと働きゃ田んぼやら山がまんだたんと買えるのに、自分のことをすますと、自然を相手にして悠々(ゆうゆう)と暮して貧乏をちょっとも苦にしとらなんだ。
「わしはお天道の下で大手を振って歩けん男やけど、こうやって地下(じげ)の大勢の衆に仲ようしてもらって勿体(もったい)ないこっちゃ。みんなに迷惑をかけんように、毎日思っとるだけや。」
 とニコニコ顔で何時も言っておったげな。