賽(さい)の神(かみ)のきつね 3/10 ページ  
     

という。
  立ち止まって見ると年が十八か十九ぐらいのきれいな娘で、にっこり笑って愛きょうがあり、かなりよい着物を着とる。山の中へわらびを取りに、こんないっちょうらの着物を着てくるわけがないし、手ぶらでなにも持っておらん。さては、こいつがこういう手で若い者をばかいておったに違いない。ひっ捕えて、ひどい目にあわせてやらにゃ、と心の中で思ったものの
「そりゃお気の毒のこっちゃのう。どうせ、からと同じような荷物やで、帰る道は一緒やでなにも遠慮するこたあない」
といって娘をくらの上に乗せた。