賽(さい)の神(かみ) 1/17 ページ  
     

 宿(しゅく)から南の方へ行って可児川にかかっとる高い大洞橋を渡って、木の茂っとる大洞の坂道をずんずん登って行くと、やがて峠に出る。昔はここに大きい松の木が一本立っとったがそこの賓の神で、もとは上之郷農協の育すう所の事務所のあった辺やな。地図でみると海抜三百十四メートルになっとるが、宿から大体百四十〜百五十メートルの高さやで、あんまり高いことはないが歩くとニキロメートルぐらいやで結構えらかった。だれでもここまでくると、ひと息入(い)れて休むもんで、この松を「休み松」といっとった。下の方からこれを見ると、もうちょこっとやでと元気を出いて登ったもんや。