藤塚さま 2/6 ページ  
     

邪魔になるといって、この木の枝を切ったり、枯れて落ちた枝を片づけたり、ときには美しい藤の花をとると、どういうことか知らんが急に高い熱を出いたり、頭が割れるように痛かったり、病気が長びいたりするようなことがいつもあった。それで、近所の人は「藤塚さま」にさわると、たたりがあるといって、おそがかっとった。
  明治になる前に、組長のようなえらい人が先に立って、組の人と一緒になって木を切ったら、そのうちの二人が目がつぶれたとかで、それからでも、足が痛とうなって歩けん人が二人もあったそうや。そんなわけで近所の田んぼや畑は日陰になって、作り物がようできんもんで、田んぼには、くわいもを作ったそうや。