上町(かんまち)の井戸 2/19 ページ  
     

 いつの時代からこの井戸が使われたかわからない。この辺に家らしいものが建ち、人間が生活するようになったころから、飲用水として使われ、井戸の囲りに足場の大きい石が並ぺられていた。
  東山道(とうさんどう)、中山道(なかせんどう)が開発されて多くの旅人や馬が通るようになった。夏には松並木の生えている土手に腰をおろして、この水で汗をふき、のどをうるおし、冬は日なたぼっこをして一休みをした。
  時代が下って、明治三十年ごろのことを古老はこういっていた。