上町(かんまち)の井戸 1/19 ページ  
     

 ずっと昔から、この御嵩村にはよい水の出る井戸が四カ所あった。井戸といっても今のように地面を掘って汲み出すのでなく、自然にわき出す、泉のようなものであった。これらの井戸は晴天続きで川の水がなくなるようなときでも、絶えたことがなかった。冬は湯気が立ちのぼるほど暖かく、夏は冷たく、その上、味がとてもよいというので有名であった。その四カ所というのは、今の東濃高校の近くと、軍人墓地の下、栢森(かやもり)の天王さまの東の清水と、この上町であった。道路や人家に近くて大勢の人達に使われることからいって、上町の井戸の名はよく知られている。