菊さの力石 3/8 ページ  
     

その時分(じぶん)は、遊ぶことも、珍しいことも少ないし、仕事場には若い衆や、力じまんが大勢きておるもんで、そういうことにきまったげな。
  昼休みに、われこそはと思うカじまんの人が集まって、かわるがわる持ち上げようとした。小さい石は五〜六人の人が持ち上げれたが、大きい方はデンとしたまま、むず動きもせん。この石は、山ぎわを掘って壁のようになった所にもっこにのせてあって、前をかつぐ人のかわりに、山の壁に穴をあけてそこへ棒をさしこんでおいて、もう片方を肩まで持ち上げるちゅうことや。