孝行のほうび 3/9 ページ  
     

 この浅次郎さは、本当によう働いたもんでなあ。近所の人が
「今度きたむこどのは、一体いつ寝なれるやろう」
というぐらいに働いたそうや。それで暮らしが少しずつ楽になったのやな。これだけでも浅次郎さはえらい人やけれども、もっともっとえらいことは、どえらい親孝行やったちゅうことや。
  親の弥三郎さのいいつけなることは、ちったあ無理でも、口答えせんのはあたり前のことでな。このお父さんは、えろうお酒が好きやった。けども毎日、好きなお酒が飲めるほど暮らしは楽やない。