きつねのたたり 2/9 ページ  
     

毛の色は、いわゆるきつね色より薄くて白っぽい。特に、腹や太い尾のあたりは白くなっていた。
  立ち話をしている大人の話は、次のようやった。すぐ近くで左官釜さの西北の方に百メートルぐらい離れたところに掘立小屋(ほったてごや)(土台や、壁がぬっていない粗末な建物)があって、そこには「ごじょさ」が三人ぐらい住んでおった。この「ごじょさ」は、みんな目のみえないおばあさんたちで、この小屋に寝とまりをして、近所の家々を回って、三味線をひいて歌を歌い、少々のお金や米をもらって生活しておった。私も家へも上がりこんできたので、穴のあくほど顔を見たこともあるし、堀立小屋へ遊びに行ったこともあった。