きつねのたたり 1/9 ページ  
     

「左官釜(しゃかんかま)さが、どうらあ大きいきつねを鉄砲で打ちなあたげなで見に行こかえ」
というわけで、私たちは学校から帰るとすぐ走り出した。七十年ほど前の十日市場(とおかいちば)の道路の北側はほとんど家がなく、桑畑と竹やぷばかりやった。曲がりくねった細い道を通りぬけたところに左官釜さの家があり、そこには、もう数人の大人の人が集まって立ち話をしていた。 
  どう見ても今まで私たちがよく見かけたものの二倍ぐらいの大きさのきつねが首に縄をかけられ、門口の柱のところにつり下げられ、秋の陽をいっぱい受けておった。