六月十六日のこと 3/5 ページ  
     

 その中にだれがいうとなく、
「こりゃ一人一人で神さまにお願いしてもだちかんで、村中みんなで熊野神社(くまのじんじゃ)へ命がけでお参りしようまいか」
ということで、体の動かせる人は全部お宮へ行って、朝から晩まで晩から夜まで、地べたに座りこんで拝んだそうや。
「熊野三社大権現(くまのさんしゃだいごんげん)さま、どうかこの病気が一日でも早うなおるように、神さまの力でお助けください。なおいてくだされたら、村中、できるだけのことをしますし、一日おこもりをしてお礼をしますによって」