魚のいない川 2/4 ページ  
     

今朝も今朝とて、きっとお経でもあげているだろうと思ってきたのに、もう川へ行って魚をとっているのでしょう。どこを見ても小僧さんの姿が見えません。頭のいい素直な子で、和尚さんは小僧さんの将来を楽しみにしてきましたが、たった一つのことに困りはててしまっていました。外のことはよく聞きわけるのですが、魚をとるということだけは決して聞いてくれないのです。
 そしてある日、和尚さんは一枚の紙になにやら字を書いて、その前で一心にお経をあげていました。今度は、その紙をもって、一番たくさん魚のいる所へ行って、そこでしばらく拝んでいました。