魚のいない川 1/4 ページ  
     

「また魚をとりに行ったのかな。ゆうべも、あれほどよういって聞かせたのに」
と、本堂へきた鈍庵和尚(どんあんおしょう)さんは、渋い顔をしてあたりを見回しました。というのは、ここのお寺の小憎さんは、とてもとても魚をとることが大好きなのです。村の子供たちなら、いくらとってもいいのですが仏さまにお仕(つか)えする者が仏さまのお教えの中で一番かたくとめられている殺生(せっしょう)(生きものを殺すこと)に夢中になって、大事なおっとめに身が入らないことが何よりの心配のたねでした。