お柳(やなぎ)様 1/10 ページ  
     

 国道二十一号線を通って伏見(ふしみ)の東坂を東から西の方へ上る途中に、名鉄のガードがある。そこに立って北を見ると、百メートルくらい離れた線路わきに、去年の春ごろから、高さニメートルほどの石の塔が立っているのがわかる。何やろうと思って回り道をして見に行ったら、「伏見宿・大柳之跡」という文字が彫りこんであった。伏見宿ということは、昔、この伏見の町が中山道の宿場やったことから、大体わかったが、「大柳」ということがわからないので、家へ帰っておじいさんに聞いた。おじいさんは伏見で生まれ、伏見で暮らいた人で昔のことをよう調ぺて知ってみえる。もう八十歳に近いが、なかなか元気や。