茂兵(もへ)さとタヌキ 1/10 ページ  
     

 きょうは、とても暑かったもんでくたくたにくたぶれちまって、わしは風呂から出て寝ようと思っとったら、トントンとだれか雨戸をたたく音がするもんで
「だれや」
といってやった。
「定(じょう)使いのものやが、茂兵さ、まんだ起きといでるか。」
「うん。もう寝よかと思っとるとこや。」
「急なことで申しわけないが庄屋様(しょうやさま)の話で、明日、また急に道なおしやで出てほしいちゅう話やで、お願いします。時間や集まる場所や持っていく物は、いつも同じやで。急いどるでご無礼します。」