天池(あまいけ) 2/5 ページ  
     
村の人はのどがかわいて、口の中がねばったのも忘れて、行者さまのようすをじっと見とったもんや。
 行者さまの長いご祈祷(きとう)が終わると、しめ縄を張った池の水を、かわらけで汲んで、水神さまの頭にかけなさった。村の人も順に出て行っては水神さまをおがんでは水をかけたそうな。
 その次の日の昼から、どえらい大きいタ立さまがあって、まっ黒になった空から、大粒の雨が降り出(だ)いたかと思うと、ぶちまけたような雨が降り出(だ)いたもんで、もう村の人は、ぬれることも何もかも忘れて家から飛び出(だ)いて、大きい口をあけて雨水(あまみず)を飲んだそうや。