縣(あがたの)宮 2/5 ページ  
     
さいわい、人や馬には被害はなかったが、大事なお寺がこわれてしまったし、山抜けで、ぎょうさんの石や泥や大きい木が田んぼの中へ入っておったもんで、近所の人が何日も出て片付けた。よそへ運びきれんものを集めて埋め、その上へ、これもお寺から流されてきた椿(つばき)を植えて目印にしたのや。何しろお寺の建
物を埋めたもんで、そこにさわったり掘
ると、たたりがあって、病気や不幸になる、といい伝えられて、今までだれもそこを掘ったことはなかった。